【パソコン購入コラム②】性能表示を理解しよう

パソコンを購入しよう、と思って家電量販店などに行くと、たくさん種類があって悩んだことはないですか?
デスクトップか、ノートかは決まっていても、それ以外の部分はどうやって見ればよいかがわからずについつい安いものを…といったケースも多々有ります。

そこで今回は値段の近くに書いてある性能表示の内容の解説と、そこだけでは分からない、大切なポイントをお伝えいたします。

パソコンの性能を示す、1つの大前提と3つのポイント

パソコンの大前提、OS

パソコンを人に例える方も多いですが、私は、パソコンを工場と考えた方がわかりやすいと思います。

外の建物は、本体を覆うプラスチック部分だと考えて下さい。
そして、次に必要なのがOS(オペレーティングシステム)となります。

工場を新設する時には、建物のガワがあれば良いわけではなく、水道やトイレ、照明などがないと機能しませんよね。

パソコンも同じで、


ファイルを移動や消去する
プログラムを入れる・消去する(インストール・アンインストール)
一定時間が経ったら自動的に画面を暗くする

など、パソコンを動かすための大前提としての機能を備えているのがOSという事ができます。

ただし、重要ではありますが、選択する分にはあまり迷うことはありません。

パソコンはmacを購入しない限り、基本的にwindowsが入っています。規模の大きい会社だとそれ用のwindowsがあるのですが、通常はhomeと呼ばれる基本的なバージョンで問題ありません。

パソコンを動かすのに不可欠なCPU

パソコンは基本的に命令をしないと動きません。その役割を果たすのがCPUと言われる部品です。

工場の例で言うと、中で働いている社員だと思って下さい。
作業が遅い新入社員もいれば、瞬く間に仕事を完了させるベテラン社員がいたりと、その性能でパソコンのスピードが大きく変わります。

CPUで最も使用されているのがインテルと言う会社の物ですので、そちらを引き合いに、どのようなイメージで、どれぐらいかと言うことを解説します。

Celeron・・・最もスペックが低い。インターネットを閲覧する分には問題なし。wordやexcelを頻繁に使い出すとちょっと厳しい。新入社員レベル。

core-i3・・・wordやexcelを使用する分には問題なし。ただし、ちょっと専門的なソフト(CADや動画編集ソフト)を入れるとちょっと厳しいかも。先輩社員レベル×2人ぐらいの能力。

core-i5・・・ビジネス用途なら大体こなせる能力がある。ある程度のデザイン系ソフトなら若干反応は遅いものの、意図した通りに動作する。会社で購入するならこれぐらいは欲しい。ベテラン社員×4人分の能力

core-i7・・・ほぼ最上位クラス(もう一つ上があるものの、完全に趣味の領域)。デザインソフトを複数起動していても難なく動作する。ベテラン社員4人分の能力に加え、全員が左右の手で別々の仕事をする事ができる。とにかくすごい。

ざっとこのような形です。本当は動作スピードを表すクロック数という指標もありますが、それは興味が出て来てから意識すれば問題ありません。

作業するために必須のスペースとなるメモリ

働く社員がどんなに能力が高くても、作業机がノート1冊分程度のスペースしかなければ作業は進みません。

CPUの能力を生かすための作業机に当たるのがメモリと呼ばれる装置です。

メモリのサイズは基本的に 2GB、4GB、8GB、16GB、32GB の5種類に分けられます。(一部、それよりも多いものも存在します)

以前のパソコンはメモリが4GBあれば十分でしたが、最近のwindowsの高機能化に伴い、4GBでは少し物足りなくなってきました。

core-i3ぐらいまでなら4GBでもそこそこいけるのですが、ビジネス用途で使用するcore-i5クラスだと8GBを選んだ方が無難です。

また、CADやデザインソフト、動画編集ソフトを扱うのであれば、8GB以上は欲しいところで、できれば16GBぐらいが望ましいと思います。

core-i7を使用するようなスペックの場合は16GB以上が無難です。

作ったものを保管する、ハードディスク

工場で出来上がったもの倉庫などの保管場所におくと思いますが、その役割を果たすのがハードディスクと言われるものです。

ただし、この記憶装置の正式な表現は「ストレージ」となります。ハードディスクというのはストレージの装置の一種なのですが、以前はこれしか種類がなかったため、家電量販店などではハードディスクと表記されている所が多いです。

これについて大事なポイントの一つ目は容量の大きさです。

近年では500GB、またはそれより上の1TB(テラバイト=1000GB)があったりしますが、基本的には動画を大量に保存するのでなければこんなに使用しません。500GB、もしくは256GBでも動作には影響しません。(それ以下の128GBは少ないので避けた方が賢明です)

大事なポイントの二つ目は、ストレージの種類です。
先ほどハードディスクについて触れましたが、同じ働きをする装置で、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)というものが出てきました。

HDD(ハードディスク)は高性能なDVDのようなもので、回転して記憶します。
それに対し、SSDは高性能なUSBメモリのようなもので、一瞬でデータを焼き付けます。

そのため、比べると以下のような特徴があります。

HDD・・・安くて大容量が確保できるが、読み込みが遅く、衝撃に弱い
SSD・・・読み込みが速く、衝撃にも強いが、値段が高い

頻繁に移動するノートPCであればSSDを推奨します。それ以外ではスピードと金額で折り合いをつけていけばよいと思います。

ただ、多くのかたが言うのは、「一度SSDを使用したらHDDには戻れない」という事です。費用さえ見合えばSSDをお勧めします。


パーツの優先順位

全て最上位のものが買えれば良いのですが、とんでもない金額になります。

当然、優先順位が必要なのですが、個人的には

ストレージ>メモリ=CPU だと考えています。

多少CPUの性能が落ちても、ストレージがSSDにできれば、サクサク感は高くなります。

メモリはそれほど金額に差が出ないので、CPUに合わせて選択しましょう。

ちなみに、パソコン専門店だと、購入時に作業料金を支払えばメモリを増やす「増設」を行なってくれますので、メモリだけイマイチな時は相談してみましょう。

その他注目するべきポイント

USB端子の数

USB端子は、マウスの使用やICカードリーダー、外付けハードディスク、USBメモリなど、用途の多い端子です。
これが二つぐらいしかないと少し不便に感じるかもしれません。

種類が大きく分けて三つあります。

USB2.0・・・昔からある端子。横長の長方形で、中の基盤が白色。遅い。
USB3.0・・・形は同じく横長長方形で、基板が青い。伝送速度がそこそこ速い。現在の主流。
USB3.1・・・最近の端子。macやipadで採用されている、横長で丸みのある端子。ものすごく伝送速度が速いが、対応しているものが少ない。

※厳密にはipadなどの端子はUSBタイプCと言われるもので、特定の条件を満たしたものがUSB3.1と言われています。

基本的にはUSB3.0が3つか4つあれば十分です。

WEBカメラとマイク

インターネット上のビデオ会議を行う事が増えているので、マイクとカメラはついているに越したことはありません。なければUSB接続のパーツが売っていますので後付け可能。
最近のノートPCでは標準装備になっている事が多いです。

HDMI端子(もしくはD-SUB)

HDMI端子やD-SUB端子は、ディスプレイに表示させるための端子です。
デスクトップは必須ですが、ノートでは必ずしも使用しません。
ただし、出かけた先でプロジェクターに接続するケースが想定されるときはこのどちらかの端子がある方が便利だと思います。

最後に

色々と紹介しましたが、もし初めてパソコンを購入するのであれば、あまり無闇に高機能なものにする必要はないと考えています。

もし何がしか高機能な使用が求められるのならばその時に検討した方が良く、最初のうちは知らないが故のトラブルも多いですので、最初の投資を抑えて、時期を見て買い替えるので良いと思います。

ぜひ、参考にしてみて下さい!