企業が抑えるべき3つの「利益」、ホントにわかってますか?

会計上抑えておくべき3つの利益は重要です!

10人以下の「超」小規模企業においても、決算書は自社の状況を把握する重要なツールです。

そして、多くの企業では決算書以外に、月締めの会社の状況が把握できる「試算表」というものを税理士事務所や会計事務所からもらっていたりします。

大前提として、もしもらっていない、もしくは依頼していない場合はもらうようにしましょう。年締めでしか利益がわからないとか、今の時代では致命傷レベルです。

そのうえで、という話になりますが、決算表や試算表で重要なものが、「売上総利益(粗利)」「営業利益」「経常利益」の3つの利益です。これが実際どのように経営に影響するか、というのは実務を経験してないとわかりません。

「黒字かどうかがわかるだけでしょ?」と思っている方、直ちに考えを改めましょう!

それぞれの利益の求めかた

「売上総利益」「営業利益」「経常利益」はどのように求めるのか、ということを簡単に解説します。

売上総利益・・・売上-原価(製造費用 or 仕入れ費用)です。製造に関わった人の人件費も基本的にここに入ります。

営業利益・・・売上総利益-一般管理費です。一般管理費は、役員報酬、営業、総務の給与、その他光熱費や家賃、広告費など、原価に入らない費用すべてが入ります。

経常利益・・・営業利益ー借入利息+営業外の損益です。保有している株の配当金など、本業以外の利益を足し、金利の支払いを差し引いた額です。

黒字じゃないと話にならない「営業利益」

この3つの利益で最も重要視されるのが「営業利益」です。俗に、「本業での儲け」を指すといわれています。

何が重要か、というと、「営業利益が出ていない会社は、銀行からの評価が極めて低い」ということです。

一般的に、銀行は融資の申し込みを受けた際に、担保の有無や代表者本人の与信情報を参考にします。しかし、対企業となると、そこに加えて「今後継続的に利益を上げる可能性があるか(=貸したお金が利息込みで返ってくるか)」をシビアに見ます。

いわば、「営業利益が黒字である」というのが、融資を受けるうえでのスタート地点と言っていいでしょう。

よく言われることですが、税金を払いたくないために利益を最小化するのは、結果的に悪手です。いざというときに資金が足りなかったり、銀行からの信頼が勝ち取れなくなるので、営業利益は常に黒字を目指しましょう。

営業利益と合わせて考える、「簡易キャッシュフロー」という指標

営業利益の話に続けて、銀行によく問われる「簡易キャッシュフロー」というのも重要な指標ですので触れていきます。

簡易キャッシュフローとは、純利益(最終的な利益)に「減価償却費」を加えたものです。

会社の会計上、100万円の車を購入しても、購入した年に100万円の支出として計上されるわけではありません。いろいろと計算方法はありますが、通常は100万円を複数年かけて経費として計上していきます。これを「減価償却」と呼びます。

通常、試算表や決算表には、減価償却費という形で、「その年に支出があったわけではないけれど、昨年以前に支払った残り分」を支出として計上します。

つまり、通常の決算表、試算表の最終利益よりも、実態としては現金が手元にあるケースが多い、ということです。

そのため、経理担当や銀行は「最終利益+減価償却費」で、実態としての利益を計算します。

こちらも営業利益と合わせて重要な指標となりますので覚えておいてください。

赤字だと構造改革が必要な「売上総利益」

続いて、「売上総利益」の話です。「粗利」というのは通称ですので、用語として覚えておいてください。

売上から原価を引いたものが売上総利益なのですが、基本の考え方として、「売上総利益から、一般管理費が出る」と思っておいてください。

つまり、売上総利益が赤字だと、そもそも社長をはじめとする役員の報酬や営業の給料などは計算上出てこない、ということになります。

言うまでもないですが、この数字は黒字で当然、赤字なら早急に会社をたたむことを考える数値です。意外に資金余裕のある会社はそれでも続けているパターンがあるのですが、そういった場合には直ちに方針転換を図ってください。すぐにでも、です。

基本的にこれだけ稼げます、という指標の「経常利益」

営業利益が会社の採算性を示すのに対し、そこから利息や営業外収益などを加味した経常利益は、「ぶっちゃけ今それぐらい稼げているのか」を示します。ここから土地の売却などの収益を加味した純利益などもありますが、きわめて不定期なものなので、経常利益の金額を見ることも多いです。

先ほど簡易キャッシュフローについても触れましたが、たまたまその年に土地が売れたなどの要因を除外して考えるために、わざと経常利益+減価償却費で算出することもあります。(※公式な資料ではなく、参考資料として使用していました。)

「通常営業で利益が出ているのか?」がポイントです!

以上、3つの利益について触れましたが、紹介した順番に重要度が高いと考えてください。

つまり、営業利益がきちんと黒字になっているかどうか、ということです。

それによって、「金融側の支援でこの会社は生き残れる」かどうかがわかり、融資などの判断につながっていきます。

ついついざっと見がちですが、利益の金額は非常に重要ですので、ぜひご確認ください。

それでは、また。