「超」小規模企業が補助金を申請する上で大切な3つのこと

超小規模企業が補助金を申請するのは、慣れていないと大変です

この記事を書いているのは2021年5月末、コロナウイルス対応真っ最中です。

各企業や個人事業主の皆様は「何か使える補助金・給付金はないか」と目を光らせているのではないかと思います。

ただ、twitterなどのSNSを見ると「申請したけど書類の差し戻しばっかりでちっとも進まん!」「相手の対応が悪い!」など、様々な書き込みがあり、大変そうだと思う方も多いでしょう。

特に、社員が10人以下の「超」小規模企業は経理系、財務系のスタッフがいないケースが多いので大変かと思います。

そこで今回は、専任スタッフがいない超小規模企業向けに、補助金を申請する上で心がけてほしい3つのポイントについて解説します。(中身は「そりゃそうだよ」と思うものばかりです。大変な時期ですが、ぜひ実践してみてください!)

超小規模企業が補助金申請で心がけてほしい3つのポイント

担当者に感謝する姿勢を持つ

いきなり説教臭いタイトルですみません。ただ、非常に重要なことなので、あえてこう書かせていただきました。

これは精神論ではなく、心理的なテクニック的要素になります。

何もコロナ関連に限った話ではありませんが、切羽詰まっている場合、もしくは他人への依頼がルーティン化している場合、相手に関して「仕事なんだからきちんと対応して当然」という思考に陥りがちです。

しかし、相手も人間です。感情を100%排除することは容易ではありません。

私の体験からも、事務方の作業時には、自分の判断で左右される微妙な状況が出てきます。

例えば、書類が間違っていた時に「状況を聞けば自分で訂正処理が可能だが、相手に修正してもらった方が無難だなぁ」という風なシチュエーションです。

マニュアルはこのような曖昧なケースまで想定していないこともありますので、このような時にどちらにしようかと考えたときに、つい相手の顔が浮かんでしまいます。

「あの人書類送信時に態度が悪かったから、電話すると面倒かも。訂正メールを出して、もう一回提出してもらおう」と判断されると、「このくらいそっちで修正しろよ!」という対応がとられかねません。

対応する人がみなこう思っているわけではありませんが、こちらが相手に対してどう思っているかは必ず伝わると思っておいてください。

対応する担当は自分のために仕事をしてくれている人だ、という認識を事前にきちんと持つことで初めて相手も「この人の手助けをしよう」と思ってもらえる可能性が上がります。

余談ですが、私は営業をしているときに上司に「事務はいざとなれば助けてくれる存在だから、日頃から感謝の心を忘れるな」と言われていました。今現在100%できているとは思わないものの、おかげで助かった局面は多くありました。

書類はしっかり情報収集したうえで、正直に書く

申請書類を正直に書くのは大前提です。特に、持続化給付金詐欺のせいで記載内容に関しては厳しい目が向けられています。

ただし、正直に書くのは、「しっかり情報収集する」というところが大切です。

例えば、2021年の3月ごろに出た「一時支援金」を例にとると、発表当初は「緊急事態の宣言地域にある飲食・宿泊業と取引がある事業者」という話になっていたかと思います。

しかし、その後何度か内容が変化し、「宣言地域からの観光客の移動が50%以上を超えている自治体」と変化しました。

この時点で私の住んでいる大分県大分市を「V-RESAS」というシステムで確認したところ、該当地域の可能性が高くなりました。

さらに改定があり、最終的には「大分県の飲食・宿泊業と取引がある事業者」まで拡大しました。

この例でみるように、発表序盤の情報と最終的な発表では、支給対象が異なっています。

そのため、初期の情報だけで判断するともらい損ねてしまうことにもなりかねません。なので、申請内容は正直には書いてほしいのですが、その前に誰が対象なのか、という点を特に重点的に情報収集しておくことが大切です。

デジタル申請にトライする

これからの流れとして、国や地方自治体の申請はデジタル化が進み、逆行する可能性は極めて低いと思われます。

「パソコンとか日頃使わないし・・・。」というお気持ちは痛いほど伝わるのですが、今後のことを考えると、電子申請に慣れておいた方が良いです。

今後デジタル化が進むにつれて、電話問い合わせの窓口が不備対応に重点を置かれてしまうと考えられます。初回申し込みから問い合わせをフルに電話対応していると、全国一律規模の補助金などは特に、電話窓口がパンクしてしまいます。

電話がつながらないと、「何なんだ!」とストレスがたまり、悪循環に陥ります。

先を見据えるのならば、今の時点でデジタル申請になれておいた方が絶対に後々のためになります。

身近な「パソコンを使える人」に聞きながら、申請をトライしてみてください。

ちなみに申請するぐらいの目的のパソコンであれば、性能は高くなくて大丈夫です。(ただし、新品2万円とかの超格安PCは個人的にお勧めしません。それならば、専門店で同額の中古PCを買った方が良いと思います。)

補助金の申請は、当たり前のことがとても大事

この3つのポイントを見てみると、「当たり前のことじゃないか!」と思われるかもしれません。実際そうだと思います。

しかし、twitterなどで「申請がうまくいってない」と言われる方の発言をさかのぼって見ていると、相手に対しての敬意が感じられない発言が散見されます。

また、受付会場で「それはお前らの仕事だろうが!」と叫んでいる人も見かけたこともあります。

厳しいようですが、こちらの姿勢以上のことは相手はしてくれないケースほとんどです。切羽詰まってきてつらい気持ちもわかるのですが、自分の態度は最終的に自分に跳ね返ってきますので、ご自身の為にも、この3つのポイントを実践してみてください。

このコロナ禍を、少しでも多くの事業者様が切り抜けることを祈っております。

それでは、また。