【パソコン購入コラム①】デスクトップとノート、どっちがいいの?

デジタル化するにあたって、まず最初の一歩は「パソコンを持つこと」です。スマートフォンやタブレットが高機能化してはいますが、ビジネス用途で考えるならパソコンを超えることはできていません。

まれに、パソコン並みにタブレットなどでゴリゴリ使用している方がいますが、そういった方は間違いなく「デジタル上級者」です。デジタルに抵抗感のある方は真似をしてはいけません。

「デジタルが苦手だからパソコンを使わない」のではなく、デジタルが苦手だからこそパソコンを持つというのがデジタル化の最初の一歩です。

とはいえ、一口にパソコンといっても色々あるので、どういったものを選べばよいのかを数回に分けて解説します。

デスクトップとノートブックとは

パソコンを選ぶにあたってまず最初に考えないといけないのが、「デスクトップとノートブックのどちらにするかを考える」ということです。

デスクトップは机に置く固定型のパソコンで、ノートブックは持ち運び可能なパソコンです。

デスクトップ

ノートブック

それぞれのメリット・デメリットについて

一昔前なら「デスクトップの方が値段が高い」「ノートブックの方が性能が低い」という風に言われていましたが、一部の高度な使用をする方々(エンジニアやデザイナーなど)を除いて、金額的・性能的には大差ないところまで来ています。

そのため、どちらを選ぶかは、「どのように使用するか」というところがポイントとなります。

それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

デスクトップ

・画面の大きさを自由に選べるので、大画面にできる
・キーボードを自由に選べる
・飲み物をこぼしたときの被害が小さい
・熱が上がりにくい

・持ち運びができない
・配線が多くなる
・接続や設定のミスで画面に表示されないことがある
・ある程度スペースが必要

ノートブック

・自由に持ち運びができる
・画面とキーボードが一体となっているため、配線が少なく、接続トラブルが起きにくい
・必要なスペースが小さい

・画面が小さくなりがち
・飲み物をこぼしたらかなりの確率で壊れる
・熱がこもりやすい
・キーボードが決まっている

気づかれた方もいるかもしれませんが、双方のメリットとデメリットは表裏一体で、一概にどちらが良いと結論付けられません。

どのようなシーンでの使用を想定するかで考える必要がありますが、個人的な体験談を交え、さらに解説します。

動かさないなら、デスクトップの方が良い

デスクトップの最大の特徴は、本体とディスプレイ(画面)とキーボードが分離しているという点です。

そのため、バラバラに購入すれば好みのサイズの画面にできます。デスクトップ用に好まれているのはおおよそ21型~27型ぐらいです。これがノートブックだと大体14型~15型なので、体感的には1.5倍ぐらいのイメージでしょうか。

また、キーボードも自由に選べるので、テンキー(キーボードの右側にある数字のキー)付きのものが選択可能です。ノートブックにもついているものがありますが、サイズが大型のものになってしまいます。

また、個人的にデスクトップの最大のメリットは、飲み物をこぼしたときの被害が少ない点だと考えています。

テーブルにノートブックを置いて、ちょっと作業の一息にコーヒーを飲む、というのは非常によく見かける光景です。しかし、「急に呼ばれて手が当たる」「書類が崩れてコップが巻き込まれる」などによりこぼれた瞬間に絶望的な状況になります。

ノートブックは構造上、キーボードの下に基盤があります。そのため、飲み物をこぼすと十中八九、基盤まで到達してしまいます。

こぼしたのが水であれば、渇けば復活する可能性もわずかにあります。しかし、コーヒーやジュースの場合、まず間違いなく基盤がやられます。そうなると丸ごと買いなおす羽目になります。以前、半泣きで相談に来た方がいましたが、無理でした。

その点、デスクトップは本体とキーボードが別なので、キーボードにコーヒーがかかっても、最悪キーボードだけ買いなおせばよいので、被害が数千円で済みます。

また、このコラムを書いていて思い出しましたが、ノートブックを閉じる際にペンを挟んでしまい、画面が割れた方がいました。結果、ノートブックをディスプレイにつなぐという本末転倒な結果になってしまいました。

このように、デスクトップはそれぞれ分離しているがゆえに物理的な破損のケースに強いのが特徴です。

移動が伴う場合と、スペースがない場合は、絶対にノートブック

ノートブックの最大の特徴は持ち運びができるという点です。デスクトップのくだりで話したデメリットが帳消しになるぐらいこのメリットは大きいです。

持ち運び、というと社外への持ち出しのイメージがありますが、社内での持ち運びを行うケースも少なくありません。

よくあるのが「会議室でプロジェクターを使って表示する」パターンです。大きい企業なら会議室に専用デスクトップパソコンがあってもおかしくはないのですが、小規模企業でそれをやるのは正直もったいないと感じます。

官公庁などでの公的な場や営業先でプレゼンをする可能性があるのならば、ノートブックはこちら側の持ち込みになる可能性が高いので、必須といってもよいかもしれません。

また、省スペースを考えるならノートパソコンの方が有利です。デスクトップは分離している分配線がどうしても多くなりますが、ノートブックはせいぜい電源ぐらいですので場所を取りません。

デスクトップか、ノートブックかは用途に合わせよう

企業の規模にもよりますが、純粋にパソコン作業が多い場合はデスクトップの方が画面が大きく、負担がかかりにくいです。一方で持ち運ぶケースも少なくないですから、理想は「作業はデスクトップ、移動させるときはノートブック」と役割を分けることです。

ノートブックを完全に持ち出し用にするのならば、性能は最低限でも問題ありません。そのようにして使え分けることができれば最も良いと思います。

しかし、デジタルに抵抗感がある方にとっていきなりそうするのは抵抗感があるかもしれません。なので、持ち運びをするかしないかという点だけでシンプルに決めてよいと思います。

ただし、繰り返しになりますが、飲み物が思いっきりノートパソコンにかかるとまず間違いなく壊れます。多くの場合購入保障の対象外にもなるので補償もききません。データの抽出も困難になりますので、十分に注意してください。

次回は、どちらを購入するうえでも重要になる「パソコンの性能の見方と判断方法」について解説しますので、ぜひそちらもご覧ください。